【2026年1月25日 追記:この記事は「デバッグ(修正)」済みです】
いくら仕事を終わらせても次から次に湧いて出てきて、身体的にも精神的にも楽にならない、自分のやりたいことではなく上司に依頼されたことに全ての時間を費やしている気がする、そんな悩みを抱えている人は非常に多いのではないでしょうか。休日でさえも勤務があったり、平日の激務から回復すべく休日は家でゴロゴロして休む。休んだにも関わらずあまり疲れが取れた気もしないし、夜には翌日から始まる仕事のことが頭の中で膨れ上がってせっかくの日曜の夜が憂鬱になってしまう。この悩みは多くの社会人に当てはまるのではないでしょうか。私もかつてはそうでした。理学療法士として社会人になり日々の業務をこなし、ありがたいことですが30歳で始めての子供もできプライベートも忙しくなりました。ですが徐々に精神的に追い込まれ、その年にはなんと不眠症になってしまいました。このままでは心身ともに壊れてしまう、と思った私は手当たり次第様々なことを試しました。ジョギングをしたり、布団を変えてみたり、夜に散歩してみたり。今思い出しただけでも胸が苦しくなるような辛い時期でした。
40代になった今は、当時よりも責任も増え、やるべき仕事も多いはずですが、仕事に追われている感覚は徐々に少なくなっており、むしろ仕事を追っている感覚さえあります。誇張しているわけではなく仕事に行って仲間たちと一緒に働きたい、とさえ思えるようになっています。子供は3人に増えましたが、 平日の朝や休日にはこのブログを書く時間も作れています。今、振り返ってみて自分の状況を変えてくれた仕事術がいくつかありました。その一つが【時間管理術】です。他にもいくつかありますが、今回は私が振り返ってやって良かったと実感できる【時間管理術】についてお伝えしたいと思います。私は理学療法士ですが、違う仕事でも全く問題なく活用できると思います。特に体が疲れていてやりたいことができない人や日常的にネガティブになりやすい方は、すぐにでも試してみてください。きっと役に立てると思います。
不眠症になってしまった!
私は理学療法士として20代後半で管理職になってから数年前まで、管理職にも関わらず9時から17時すぎまで一日中臨床現場で患者さんにリハビリしていました。臨床業務が終わってから管理業務、スタッフのマネジメント、勉強会の講師、学会発表の準備など、常に激務に追われていました。毎日残業し、休日も自己研鑽として講習会や学会に参加し、心身ともに休めている感じはありませんでした。当時は若くて体力もあり、また年代が近い同僚も同じような環境で働いていたので、自分だけ根を上げるわけにはいかないという対抗心でどうにか日々の業務をこなしていました。そして私が30歳の時、ある大きな仕事を任され、1年間ほどその準備に追われていました。休みの日も頭からその仕事が離れることはなく、今振り返ってみれば、全く脳が休めていなかったのだと思います。そして、ついにその仕事が完了し、ようやく休めると思った矢先の出来事でした。
なぜか次の日から全く寝付けないようになってしまったのです。いわゆる『燃え尽き症候群』でした。もしかしたら読者の中には経験した人もいると思いますが、眠れない恐怖というのは計り知れません。頭も体も疲れているはずなのに、ベッドで横になり続けることができない。ついには何を食べても美味しいと感じなくなりました。
2:8の法則でとにかく仕事をさっさと終わらせよう
こんな悩みがありませんか
- 仕事が終わらずどんどん積み重なってしまう
- 期限が迫るといつも慌ただしくなってしまう
- 毎日余裕がないと感じる
私の経験上、当てはまる人に共通することは、とても一生懸命で真面目、あまり妥協できない人が多いことです。自分で言うのどうかと思いますが、過去の私はまさにこれに当てはまっていました。このような性格の方は、一生懸命仕事をすればするほど時間もかかり、目の前の仕事をすることが自分の経験やスキルにとってプラスになるという向上心を持ちやすい傾向にあります。また真面目なので他人に仕事を任せるのも気が引ける人も多いでしょう。おそらくこれらは日本人の気質である勤勉さや実直さの表れでもあります。よく私も他人に真面目だと言われることが多いです。その典型的日本人の私が効率よく仕事をこなせるようになった理由をこれからお伝えします。
2:8の法則で仕事をしよう
「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」 中島聡 文響社 2016
一番最初に私を救ってくれた名書の一つです。今回書いた内容はこの本のごく一部を実践したものです。私はこの本に出会う前と後では仕事の効率が激変しました。感覚的には半分以下になったくらいに感じます。まだ読んだことがない方は、ぜひ読んでみてください。きっと皆さんの力になってくれるはずです。

本書で紹介されている内容に【2:8の法則】と言うものがあります。本書ではロケットスタート時間術と呼ばれています。内容を簡単に説明しますと、例えばあなたが1か月後にプレゼンを控えているとします。当日に向けてあなたはどのようなプランで準備を進めていくでしょうか。少しイメージしたり、今ままでの経験を振り返ってみてください。もしかしたら行き当たりばったりに期限ギリギリで準備していく人もいらっしゃると思います。そしてどうにかこうにか完成させた経験はありませんか。私自身もかつてはそうで、遡れば小学生の頃から変わらずで、夏休み最終日の8月31日は泣きながら宿題をしていた記憶があります。
【2:8の法則に則って仕事をする】とは以下のようなプランで行動します。期限が1カ月なので当日まで残りは30日、その2割の期間、すなわち6日間でプレゼンの80%を完成させます。「2割の期間で8割完成させるなんて無理!」と思われるかもしれませんが、それがそうでもないのです。誰でもできると思っています。必ずできると思う理由には2つあります。
まず一つ目は、大多数の人が、逆にラスト2割くらいの期間だけで準備しているからです。本書では期限が近づいてから仕事に取り掛かる【ラストスパート志向】が諸悪の根源であるとも述べています。1ヶ月後のプレゼンにすぐ取り掛かる人の方は少なく、多くの方は残りの1週間くらいを費やして完成まで漕ぎ着けているのではないでしょうか。少なくとも過去の私を含めた私の周りの人がほとんどがそうでした。しかし、実際にかかった時間はほとんど変わらないわけですから、その期間をそのまま前に持ってくるだけですので不可能ではないでしょう。これが意外と難しいのは『まだ、大丈夫だろう』という気持ちに他なりません。人間どうしても目の前の楽をとってしまうものです。なので、まず今回だけやってみよう、という楽な気持ちで初めてみてください。一度経験すると次からは【ラストスパート志向】には戻れないくらい【2:8の法則】が与える安心感、快感は強烈です。
二つ目は自分の脳にあるものは、80%くらいのものはすぐに引き出せるということです。逆に言うと経験していないことや自分の中にイメージがないものはどれだけ頑張っても引き出すことはできません。つまり不十分でも、納得がいかなくてもまずは自分が出せるものを全力で引き出して8割程度で作ってしまいましょう。この時期には細部(例えばフォントやスライドの順番など)は気にしないで大丈夫です。まずは大枠を完成させてしまいましょう。
また、本書の内容で特に共感したものがあります。みなさんも経験があると思いますが期限ギリギリでやっていると、また違う仕事が舞い込んでくる、ということです。例えば、残り1週間で頑張って取り組んでいる時にまた違う仕事がタイミング悪く入ってくることがあります。私たちの状況などお構いなしに、新たなタスクが押し寄せてきます。「なんでもっと早く取り掛かっておかなかったんだろう」と後悔したことは誰しも経験あるのではないでしょうか。
経験者に残り20%を埋めてもらう
さて、2:8の法則に沿って6日間でプレゼンの8割完成させたとしましょう。するとどうでしょう。当たり前ですが、期限まで24日も残ってるじゃありませんか。この時の安心感をぜひみなさんに実感してもらいたのです。なんとも言えない感情、無敵感?のようなものさえ私は感じました。そして残りの24日でやることは、経験者に残りの2割を埋めてもらうことです。80点は20%程度の能力でとれるが、残りの20点をとるには80%の以上の能力が必要になる(パーキンソンの法則)からです。
完成までの残り2割、これを独力で埋めるには相当な根気が必要です。そこで経験者の力を借ります。ここでいう経験者とは今自分が抱えている問題と似たものをクリアした経験がある人に限ります。その人と信頼関係があれば、きっと喜んでその2割を埋めてくれるでしょう。人は他人に頼られることに嬉しさを感じるものです。頼られた側からすればあなたは『自分を頼ってくれる(認めてくれる)かわいい後輩』と認識してもらえますし、きっと今後もあなたの力になってくれるでしょう。
もし真面目な性格の方は「頼ってしまったら自分の成長につながらないのでは」と感じる方もいるでしょう。私は、自分の経験にないものを他人から学ぶことこそ成長につながると考えています。よっぽどの天才でない限り、自分に足りないものは他人から学ぶ他ありません。恥ずかしがらずに先人たちの力を借りましょう。
話が少し逸れますが、私は管理職になって久しいのですが、後輩からプレゼンなどのアドバイスを求められることも多々あります。ありがたいとこなのですが、2点困るパターンがあります。それは①内容がほとんどできていない段階でアドバイスを求められる場合、②締切数日前に求められる場合です。内容がまだ不十分だど相手の考えがこちらも理解できず、そのままアドバイスしてしまうと私の考えに偏ってしまい相手のためにならない可能性があります。また締切の数日前にアドバイスしてしまうとかえって混乱させてしまう可能性もあるし、修正も困難です。「もう少し自分の考えをまとめてから聞いてほしいなあ」「もう少し早く聞いてくれればもっと伝えられるのになあ」と思うことが多々あります。過去の私もそうでしたが、一生懸命が故にかえってそうなってしまうのもわかるんですけどね。
さて、残りの24日間で先輩や上司にもらったアドバイスを参考に修正を加え、より質の高いプレゼンを完成させましょう。余裕があるので、プレゼンを客観的に見返してみたり、質問に対する返答を考えたり、いろんな対処法が思いつくはずです。この時に新しい仕事が舞い込んできたとしてもある程度余裕を持って対処できるはずです。その結果、慌てて完成させた場合と比べて、本番は落ち着いて実践できるはずです。ぜひ皆さん、一度このプロセスで行動してみてください。一度この感覚を味わってしまうと、もう二度と「涙の8月31日」はやってきませんよ。
➡️デバッグ【真面目系クズ(自嘲)からの脱却】
私が陥っていた【ラストスパート志向】の原因は仕事量ではなく「完了させることへの恐怖(完璧主義)」でした。 夏休みの宿題を最後に残す心理は、怠慢ではありません。「手をつけて、完璧にできなかったらどうしよう」という不安が、着手を先送りにさせるのです。中島聡氏の「ロケットスタート時間術」は、その不安を技術的にハッキングする「プロトタイピング思考(とりあえず試作を作る)」そのものなのです。いきなり完璧にできるわけない、60点くらい取れればいいくらいの軽い気持ちで取り掛かってしまいましょう。
1. 不眠症の原因は「CPU負荷」
➡️【不眠のデバッグ:『未完了』が脳を食い尽くす】
当時の私が眠れなかった原因は、「ツァイガルニク効果」という心理現象の暴走でした。 人間の脳は「完了したこと」は忘れますが、「未完了のこと」は無意識下でずっと処理し続けます(バックグラウンド処理)。 「あれもしなきゃ」「これの期限が近い」……。 締め切りギリギリまで仕事を抱え込むということは、24時間365日、脳のメモリを「未完了タスク」が占拠し続け、CPUが常に100%稼働して熱暴走している状態です。これでは眠れるはずがありません。仕事を早く終わらせる目的は、評価のためではありません。 「完了」のハンコを脳内で押し、夜に脳をシャットダウンさせてあげるためなのです。
2. 「2:8の法則」を「MVP(実用最小限の製品)」と定義せよ
「8割完成させる」というと、真面目な人は「質が高いものを8割」作ろうとしてフリーズしやすい傾向にあります。その場合は、ハードルを極限まで下げる必要があります。
➡️【2:8の法則のデバッグ:『ゴミ』を作れ】
真面目な人が動けなくなるバグの原因は、「最初から100点を目指す」ことです。 私はこの法則を使う時、自分にこう命令しています。 「最初の2割の期間で、たたき台(ゴミ)を作れ」と。骨組みだけでいい。誤字脱字があってもいい。とにかく「形」にする。これをビジネス用語で「MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)」と言います。
・頭の中のものは誰も評価できない
・形(アウトプット)にして初めて自分や他人が評価・修正ができます←早くこの段階に移ることが大事
0から1を生むのが最もエネルギーを使います。だからこそ、最初の2割の期間で、どんなに低品質でもいいから「0を1にする作業」を終えてしまうのです。あとの期間は「1を10にする作業(修正)」に充てる。これだけで、精神的負荷は激減します。
3. 「他人に頼る」を「外部ストレージの活用」と言い換えよう
「成長のために自分でやらなきゃ」という思い込みを解除する。
➡️【『頼る』ことのデバッグ:自分を過信するな】
私の「自分で考えないと成長しない」という考えは、ある種傲慢でした。未熟な私の頭にある引き出し(経験)なんて、たかが知れています。
✅自分一人で悩む: 自分の狭い知識の中でループし、時間だけが過ぎる(処理落ち)。
✅経験者に聞く: 他人のデータベース(外部ストレージ)にアクセスし、正解を一瞬でダウンロードする。
どちらが速く正解に辿り着けるかは明白です。 プロの仕事は、自分の能力を見せつけることではなく、「使えるリソースを全て使って、最短で最高の結果を出すこと」です。プライドという無駄なアプリはアンインストールしましょう。
最後に
【知っている】と【知らない】では大きな違いがありますし、また【知っている】だけと【やっている】でも大きな違いがあります。みなさんにはぜひ行動まで移していただきたいと願っています。現状を変えることができるのは自分の行動『のみ』です。今回お伝えした内容は、改めて何かを大きな負荷を課しているものではありません。ギリギリにやっていた仕事を前倒ししてやる、それだけです。それだけで大きな違いが生まれるらこそお伝えしています。もちろん結果は数日では出ません。まずは1回やってみることをお勧めします。
理学療法士に限らず、現代の日本社会における仕事は多忙を極めています。当院でも疲弊から精神的に不調をきたし退職してしまったスタッフもいます。私のシッパイ談を活用して少しでもそのような人を減らして、仕事とプライベートのどちらも生き生きと活動できる人を増やしていく、それが私の大きな目的です。このブログを通じてみなさんのお役に立てれば幸いです。
ちなみにその当時の私は、眠れない夜、天井を見上げながら『このまま死ぬんじゃないか』という底知れぬ恐怖に震えていました。自分の人生の中で、あれほど辛い時期はありませんでした。今思えば、その恐怖があったからこそ、二度と同じ経験をしないように、自らをデバッグしてきたのかもしれません。もし今、過去の私と同じ境遇の人がいましたら、ぜひこの記事を読んでください。この記事を読んで実行すれば、今よりも好転するきっかけになります。
まとめ
- 期限までの2割の期間で8割の仕事を終わらせる
- ラストスパートが諸悪の根源、絶対に避ける
- 残り8割の期間を使って、経験者に残った2割のアドバイスをもらう
- 6から8割の出来のMVPを作ってしまう
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