前回までで述べてきた仕事術についてまとめると、①2:8の法則で早めに仕事に取り掛かり、②マインドマイスターを使って思考を整理し、③陰山手帳を使ってスケジューリングをするところまでお伝えしました。まだ読んでいない方はこちら。
朝一番のトラブル報告、鳴り止まないチャット、山積みの書類承認……。 毎日、押し寄せる「緊急なだけの仕事」に飲み込まれ、気づけば夕方。「今日も自分の仕事が何もできなかった」と疲弊して帰路につく。もしあなたがそうなら、断言します。あなたは「仕事」ではなく、ただの「作業の交通整理」に命を削っています。中間管理職の真の価値は、作業をこなすことではなく、「自分が動かなくても組織が回る状態」を作ること。そのためには、仕事を「緊急度」ではなく、徹底的に「思考の純度」で仕分ける必要があります。本記事では、10年以上の管理職経験で血肉化した「仕事を秒で殺す」仕分け術を公開します。これは単なる時短術ではありません。あなたの自由な時間を奪い返し、部下を自走させ、組織の解像度を劇的に高めるための戦略論です。
仕事を秒で仕分ける
かつての自分を振り返ってみると、一般職の時代は、自分が思うままに一生懸命仕事に没頭しており、ある意味ストレスは多くなかったのですが、中間管理職になった瞬間に、業務量が激増し、責任も増え、考えなくてはならないことが多くなるにつれストレスが増してきた記憶があります。朝職場についたら新たに生じた問題について報告があり、解決策を検討し、上司に報告、他部署との話し合いもしなければならない。ひとまず解決したと思いきやまた違う問題が、、、。管理職を担っている人は共感できるのではないでしょうか。ちなみに自分の周りの管理職の人を見ても意外とここでつまづいている人が多い印象です。状況を打破するために私が行なっていることを最後に一つお伝えします。
まずは仕事を2種類に分ける
仕事を緊急度と重要度によって4つの領域に分けてそれぞれ対応を変える、という下図のようなものはご存知の方もいらっしゃると思います。

https://s-kansa.co.jp/column/column6/ より引用
しかし結局のところ、仕事をしている時に私たちの時間を奪ってしまうのは大抵左側の2つの領域、つまり緊急性のあるものばかりだと思います。時間に追われれば追われるほど上図の右上にある「緊急ではないが重要なこと(例によれば人間関係作りや準備や計画など)」に思考が回りませんし、後回しになってしまいます。そのためにはまず緊急性のある仕事を必要最低限の時間と労力でもって片付けてしまおうという話です。
私は仕事は2種類に分けています。一つは【頭を使わない仕事】、もう一つは【頭を使う仕事】です。
頭を使わない仕事とは
【頭を使わない仕事】は読んで字の如く「考える必要がない仕事」のことを指します。必要だけど熟考するまでもない誰でもできる仕事は、意外に多く、仕事の半分はこれに当てはまるとに思います。例えば会議資料の印刷や準備、足りなくなった備品の発注などですね。これを意外と後回しにしている人が多いのが印象です。おそらく面倒だという印象を持ちやすいからだと思います。この【頭を使わない仕事】をさらに2つに分けます。一つは【誰にでもできる仕事】と【自分にしかできない仕事】です。少し具体的にお話ししていきます。
誰にでもできる仕事はすぐに他人へ任せる
誰にでもできることとは、
- 資料印刷
- 備品の発注
- 掃除・片付け
- 備品の修繕
などです。これは管理職であろうが、一般職であろうが誰にでもできるような仕事です。もしあなたが中間管理職であったなら、これらの仕事に時間を費やしては絶対にいけません。なぜなら管理職の仕事は他にあるからです。もしこれらの仕事が舞い込んできたらすぐに他人に任せましょう。これが意外にできない管理職が多いです。確かに任せるのは気が引けるし、楽しようとしていると誤解される恐れもあります。大切なのは丸投げ、放任ではなく、しっかり依頼してください。部下に心を込めて仕事を頼むのです。振り返ってみると経験が浅かった頃の私は、上司とそのようなやり取りがあった時、嬉しかった記憶があります。「あ、自分にも任せてもらえるんだ」「自分も役に立てるかもしれない」と。その気持ちを逆手に取るなどと決して考えていけません。「ありがとう」「忙しいところ申し訳ない」と感謝の意と共に仕事を依頼して、後日「先日はありがとう」「助かったよ」と労いの言葉をかける。仕事に意味のないものはありません。やる側の裁量の違いがあるだけです。仕事によっては、任された部下の成長にもつながる可能性も大いにあります。
自分にしかできない仕事はすぐに自分で片付ける
自分にしかできないことはその職場や役職によって異なるので、具体的には述べにくいのですが、自分の環境で考えてみると
- 当日のリハビリや業務のスケジューリングやリスケジューリング
- インシデント・アクシデントの報告を受け承認する
- スタッフの勤怠状況の確認・承認
- スタッフのシフトの作成
などが挙げられます。この類の仕事は面倒ですが、後に回すと必ずツケが回ってきます。理由は自分にしかできないことだからです。ここに分類される仕事は、基本的には頭は使いません。裏を返せば、実行する人の実力に関わらず結果は似てくる、とも言えます(微妙な違いはありますがここは一旦無視します)。大抵はこれらの業務はシステム化されているものが多いと思います。
しかし現実にはこれらを後回しにする人、または考え込んでしまう人が結構多いのです。たまに、「こんなことにどれだけ時間をかけているのだろう」、「前に頼んだあの件今頃になって返ってきたな」と感じる人がいませんか?ここに大切な時間を割いてしまうのはNGです。これらの仕事にはあまり人の考えが影響する意味があまりありません。結論、自分なりのやり方を突き詰めて、一瞬で終わらせる手段を考えておきましょう。この手の仕事は日々とめどなくやってきますので、自分なりの瞬時の解決方法が見出せれば、今後ずっと役に立ちます。AIなどもどんどん活用して自分なりの最短ルートを見つけ出しましょう。例えば、インシデントの報告書を受けた時必ずみるべきポイントを決めておく、スタッフの勤怠の状況は金曜日の朝にだけ確認すれば大丈夫、などです。これだけでもかなり時短になりますし、頭の中が整理されます。事前に準備しておけば仕事が来ても慌てず対処できるようになります。
頭を使う仕事とは
前項で述べた【頭を使わない仕事】をうまく対処するだけでもかなり時間が作れるようになると思います。しかし中間管理職の方が本来やるべき仕事は【頭を使う仕事】です。具体的には、
- 部署の目標設定
- 次回の会議議案の提案
- 職場の雰囲気を感じ取る
- スタッフに気を配る
などが挙げられます。これらは他人に任せることはできませんし、簡単に片付けてはいけない項目です。なぜならこれらはあなたが管理を任されている部署の明暗を分ける内容だからです。私の周りには意外とこれらを疎かにしてしまう管理職も少なくありません。ここに注力できない管理職は前述した【頭を使わない仕事】に没頭する傾向にあります。おそらく【頭を使う仕事】は、抽象的で、正解がなく、結果も分かりにくいため、注力しにくいのかもしれません。確かに職場の雰囲気といっても言葉にしにくいですし、どうすればよくなるのかなんて誰もわかりません。しかし中間管理職に任されている仕事はこの部分に存在していると思っています。
【頭を使う仕事】は環境や職種が違えば仕事内容が異なるので一概に言えませんが、共通して言える対処法は一つしかありません。それは失敗を繰り返し、その都度学んで、次に活かす、これだけです。トライアンドエラーあるのみ。失敗を恐れず、チャレンジしてみてください。離職者を減らすにはどうすればいいのだろう、今月もまた目標値を達成できなかったのはなぜだろう、など中間管理職の悩みは尽きませんが、一つずつ思考と実験を繰り返すほかありません。これが中間管理職としての最大のやりがいでもあり、最も重要なのです。
まとめ
- 仕事には2種類あり、秒で仕分ける
- 頭を使わない仕事のうち誰でもできるものは任せる
- 頭を使わないが自分しかできないことは瞬時に自分で片付ける
- 中間管理職の時間は部署の成長のために使う
- 部署の成長が必ず自分を助けてくれる
数回に分けて、私が10年以上管理職を担ってきた中で導き出した仕事術をお伝えしました。もちろん今までたくさん失敗もしましたし、意味がなかったこともあったでしょう。紆余曲折しながらも、現在でも価値があると思って継続していることを厳選して4つ挙げさせてもらいました。簡単なことだけではないと思いますが、今私が心身ともにゆとりを持っていきいきと仕事に取り組めているのは、伝えたこられの仕事術がいい影響を及ぼしていると確信しています。自分の経験が少しでも皆さんお役に立てたら幸いです。
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