実績を出しても評価ゼロ。無能な上司と戦うのをやめて「無敵の人」になった中間管理職の現在と、今後について

【防衛】理不尽から身を守る「心理戦」

1. 導入:あなたのボスは「実績」と「アピール」のどちらを見ていますか?

世の中の組織には、必ずある一つの理不尽が存在します。「誰が見ても圧倒的な実績を出している人間が評価されず、実績はないのに『頑張ってますアピール』だけが上手なイエスマンばかりが優遇される」という現象です。

「なぜ自分の方が結果を出しているのに、あいつらばかりが評価されるんだ」と、悔しい思いをしている管理職の方も多いのではないでしょうか。

実は今の私が全く同じ境遇に立たされています。

私の部署は、法人内の病院の中でも群を抜いて高い実績を叩き出しています。ベッド稼働率、離職率の低さ、患者さんの転帰、FIMの改善度、さらにはスタッフの勉強会への参加率や学会発表の数にいたるまで、あらゆる数字において素晴らしい結果を出しています。これは自画自賛ではなく、他院からの評判も含めた客観的な事実です。当然、スタッフの働く意欲や多職種との連携といった「数字に見えにくい質」の面でも、確固たる自信があります。

数字を出せと言われてきた立場として、私は「結果で黙らせてやればいい」と、無言の反骨精神でこれまで平静を保ちつつ取り組んできました。

しかし、トップから評価され、優遇されるのは、実績の伴わない「勉強会アピール」ばかりのイエスマンたちなのです。

2. 構造分析:なぜ有能な部下と無能な上司の「通貨」は噛み合わないのか?

なぜ、このような理不尽が起きるのでしょうか。 その背景には、「上司が求めているのは安心感(忠誠心やアピール)」であり、私たちが提供しているのは「数字(実績)」であるという、システムの構造的なズレがあります。

みなさんもご存知でしょうが、会社や病院組織において、数字の重要性は管理職になれば嫌というほど痛感します。いくら「良いリハビリをやっている」「みんな頑張っている」と声高に叫んでも、数字がついてこなければ組織としての信頼も権威性も生まれません。だからこそ私は、スタッフの育成やメンタルケアもおろそかにせず、チーム一丸となって確実に実績を積み上げてきました(もちろん私の力だけでなく管理職チームや部下たちのおかげです)。

しかし、本質的なマネジメントスキルがない上司ほど、数字という客観的なデータを正しく評価できません。結果として、主観や「目に見えるポーズ(自己研鑽していますアピール)」といった、分かりやすい表層の姿に評価を依存せざるを得ないのです。あるいは、数字では部下に敵わないため、主観的な好き嫌いで人事権を振りかざし、自分の優越感を保っている可能性すらあります。

あなたの近くにも、そんな上司はいないでしょうか。

3. 現在の私の失敗:「必要最低限の報告」と「無敵の人」戦略

そんな上司の姿を見て、私は強烈な嫌悪感を抱きました。「あんなイエスマンたちと同類になりたくない」「トップに迎合して笑顔を振りまくことは、これまで私たちが作ってきた実績と、必死に頑張ってくれたスタッフへの裏切りだ」と感じていました。

私は元々の性格もあり、人と比べると、上司から嫌われたり評価されなかったりすることへの不安がほとんどありません。そのため、私は「極力上司とコミュニケーションを取らず、必要最低限の報告しかしない『無敵の人』」として、組織の中で孤高に、やや傍若無人に振る舞う戦略をとりました。

しかし、今になって振り返ると、これは私自身のマネジメントとしての「敗北」であったのかもしれません。

私が上司への軽蔑から「無敵の壁」を作ってしまったことで、私の部下や周囲のスタッフは上層部との板挟みになり、困惑していました。組織全体の空気をピリつかせ、冷え込ませてしまうという現状を、私が自ら招いていたのです。これは最善の結末ではありません。

読者の皆さんも、アホなトップに笑顔でペコペコすること自体が、自分への裏切りのように思えて拒絶してしまう気持ちは痛いほど分かるはずです。しかし、心を閉ざして逃げるのは、私の信念にも反することでした。

4. 結び:どうせ辞めるなら、その上司を「最高の実験台」にせよ

いずれはこの場所を離れる(退職する)と割り切っているからこそ、私はこの「無敵の人」というカードの切り方を変えることにしました。ただ心を閉ざして周囲を困惑させる「無敵」は、もう卒業しようかなと思い始めています。

「圧倒的な実績」に加えて、「上司からの信頼(ハック)」をも手に入れた時、人間は本当の意味での『真の無敵の人』になれるかもしれない。

そう考え方を変えたのです。 幸いなことに、私たちはすでに「最も出すのが難しい『本質的な実績』」をクリアしています。上司が求めているのが中身のない「アピール(パフォーマンス)」だけであれば、それを再現することなど、私たちにとっては赤子の手をひねるより簡単なはずです。

これは、自分の信念を曲げて奴隷になること(迎合)ではありません。 理学療法士が、認知や感情の問題を抱えた患者さんに対して、リハビリを円滑に進めるためにあえて大袈裟に声をかけたり、動機付けのポーズ(パフォーマンス)を取ったりするのと同じです。上司という名の「バグだらけのシステム」を動かすための、ちょっとした対人スキルのトレーニング(遊び感覚)だと思えばいいのです。

「なるほど、このペーパーを1枚出すだけで、このボスはこんなに安心するのか」と、ゲーム感覚でハックしていく。

今まで築いてきた実績を武器に、今度は上司を手のひらで転がし、評価すらもかっさらっていく。それができたら、もう誰もあなたに文句を言える人間はいなくなります。

ちょっと今までの頑なな態度を反省し、私は自分を新しく作り直してみようと思います。このアホなトップをどうハックしてやろうか。そんな挑戦の始まりです。ともに最高の人生を作っていきましょう。

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